[携帯モード] [URL送信]
キスのお題 3
★僕らは5回のキスをする
『三度めのキスはあんたへのからかい』








「好きって言ってくれ」




……。
……。

……っといけない。
思わず、フリーズしてしまった。


なんなんだ、唐突に?
なぜ、いきなりそんなことを言いだしたんだ。
俺のことならわかってるんだろう?


ああ、そうだ。
あんたとは、世間一般に言うそういった関係だと思っている。
でも、それとこれとは話が別だ。


うん?
どうした、急に後ろ向いて。
拗ねたのか?


え?
本気なのか、って?
俺だけが本気になってて実はあんたに踊らされてるんじゃないのか、って?
あんた、そんなこと真面目に言ってるのか?
キスとかそれ以上とかあれだけやりまくってるのに
どの口がそれを言う!?


だから。
膝抱えるな。
背中丸めるな。
チラ見しながら指でわざとらしく『のの字』なんて書くな!

……あんた、変わったな…。



こっち向けよ。
ほら。


……。
……。


あー、と。
……なぁ、もういいだろう?


……。
……。


なんだかな。
まだ粘るか。

……。
まぁ、一度くらいなら、言ってやれないこともない、かもしれない。
って、そんなキラキラ目で見上げるな。



「……」
「……」
「……」
「…っ!」


クラウド?って言われても。
…おかしいな。

いや。
俺だって困ってるんだ。
なんで言葉にならないのかわからない。


だ、だからちょっと待て!
本当にふざけてないぞ、あんたをからかってもいない。
も一回ちゃんと挑戦するから――。


「……」
「……」
「……っーーーッ!!」


駄目だ。
恥ずかしすぎる。



いや、だから。
違う。
そうじゃない。



………はぁ。
すっかりいじけてるようだ。

どうしよう。
あーー…




あ!

そうか。
これならできそうだ。

背中に。指で。












ちょ、ちょっと待て!!

飛びつくなッ!!
抱きつくなッ!!

犬か、あんたはっ!?





こらーーーっ!
真っ昼間から押し倒すな!!









『三度めのキスはあんたへのからかい』

本文中ではキスしてないし…;

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!