あんたはペット 9
この世に『英雄』と呼ばれる人間は数少ない…その中の一人。
魔女戦争の英雄、スコール・レオンハート。
そんな彼のイメージは
『美形・無口・クール』 と本人にはどうでもいいものばかりだ。
普段から余裕ぶっこいてスカして(見え)るバラムガーデンのトップ。
そんな彼に拾われた、クラウド・ストライフ。
スコールにペット呼ばわりされていたが――
その彼がいなくなって三日が過ぎた。
スコールは、あいかわらず二人分のご飯を用意して待ってるらしい。
だから昼は大抵、前の晩の残りをタッパーに詰めて持ってきている。
スコールは堅実な男だった。
そんなスコールの元にクラウドは再び帰ってくるのだろうか??
* * *
スコールはその時、かなり気が動転していた。
思わず立ち上がってしまった時、テーブルの支柱に弁慶の泣き処を思い切り強打するほどに。
(っつーーーーーっ!!!)
手で脛を押さえてしゃがみ込んだスコールに、ゼルは心配そうに声を掛けた。
「大丈夫か、スコール!?」
(大丈夫なわけあるか!
急に変な事言うからッ…っつ〜〜〜〜…)
様子を見る限り命に別状はないが、痛覚的にはかなり大丈夫じゃないだろう。
珍しいスコールの様子に、ゼルはフォローにもならないフォローを入れた。
「小指じゃなかっただけマシだったな!」
(マシでもなんでも、痛いモンは痛いんだ!)
「あーあ。
それにしても、足が無駄に長いとホント大変だよなぁ」
(さりげなく本音だろ、今のは。
褒めてるのか……いや、貶してるぞ、確実に)
「じゃーな、スコール!
俺行くからっ!」
さっさとその場を後にしたゼルは、ある意味賢かった。
スコールは、何も言わずにゼルを見送った。
(…まずい。
まずいぞ、これは想定外だ)
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