抗いし定め
6
「何か不思議な子でしたね。」
乱菊はそう言いながら冬獅郎を見たら、彼は珍しく呆けていた。
「隊長?」
「……あっ…何か言ったか松本?」
「いえ、何も。」
乱菊は物珍しそうに冬獅郎を見ているのだが、その視線にも冬獅郎は気づいていない。
「松本、あいつは……。」
「一護の事ですか?」
「ああ、あいつは……何者だろう。」
「さあ、でも、可愛らしい少年でしたね。」
「………。」
乱菊の一言に冬獅郎は眉を寄せた。
「松本、あいつはーー。」
冬獅郎が何かを言おうとした瞬間、十番隊の隊士が駈け込んで来た。
「日、日番谷隊長っ!」
冬獅郎は自分の言葉を遮られ、少し機嫌を悪くさせるが、そんな様子を見せる事もなく、堂々とした隊長を演じる。
「どうした?」
「はい、それが…。」
部下がもたらす報告に冬獅郎も乱菊も息をのんだ。
そして、瀞霊廷を揺るがす事件の幕開けであり、一護が阻止したい事の始まりの一部の幕開けでもあった。
そう、五番隊の隊長である藍染が何者かに殺されたのだった。
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