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抗いし定め

 無力だった。知っている運命なのに、変える事の出来ない自分に苛立った。

「母ちゃん……。」

 一護は涙を浮かべ、母の死体を見た。
 あの時とは僅かにずれたが、それでも結果は同じだった。
 自分があの時あの虚に騙されなければ母は死ぬはずはなかったのに、何故か向こうから一護を殺しに来たのだ。
 そして、母が庇い、一護だけが助かった。
 力を欲した。
 しかし、まだその時ではなかった。

「どうして、オレには記憶があるのに…何で、同じ事を繰り返さなければならないんだ……。」

 一護は嘆き、そして、誓いとして、髪を伸ばし始めた。
 過去の自分は恋人と付き合い始めて髪を伸ばした。それまで、一度だって伸ばさなかったが、これは誓いだった。

「絶対に……皆を失わない。」

 たとえ、自分を仲間が知らなくとも、自分にとって彼らは大切な人たちだから……。

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あきゅろす。
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