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抗いし定め

「不思議な子じゃの。」
「おや、夜一さん。いらしてたんすか。」
「今更じゃの。」
「一体いつからですか?」
「あの娘子が来た時にはすでにおった。」
「そうっすか。」

 夜一は先ほど立ち去った一護の事を考えた。
 一護は夜一の存在に気づいていた。
 入る前や帰る時、彼女は黙って夜一の居る方向に頭を下げたのだ。

「…さて、あのように面白い者は久方ぶりじゃ。」
「面白いですが…?どちらかといえば胡散臭いと申しますか…。」
「人の事は言えぬと思うのじゃが?」
「酷いっすね。」
「本当の事じゃろ。」

 ばっさりと切り捨てる夜一に喜助は黙り込む。

「それにしても…。」

 夜一はあの一護の目を思い出す。
 あの目は生きる事を諦めた目。しかし、強い意志の篭った目をしていた。

「あの娘子は何者じゃろうな。」

 まだまだ謎の残る一護に夜一は疑問を言の葉に乗せる。

「まあ、後に知る事にはなりそうじゃの。」

 そう、いつか彼女たちは知る、一護の壮絶な一生を…。

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あきゅろす。
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