抗いし定め
1
自分が危険分子など考えた事もなかった。
『黒崎一護、貴様は力を持ちすぎ、この尸魂界にとっても現世にとっても悪影響を与える。』
仲間が…大切な人が傷つくのが嫌だった。
『何故だ、何故一護をっ!』
自分を守ろうとする仲間……。
『決定したのだから、仕方ない事なのだ。』
しかし、覆す事のない決定事項。
『駄目だっ!一護、俺が隊長を辞めてでも……っ!』
一番大切で、愛した人の言葉に自分は首を振った。
『抗うのなら、死で償ってみろ。』
失いたくないのだ…、仲間と同じ…いや、それ以上に大切だから。
『何故だっ!』
声が泣いている。
『一護っ!』
さよなら、と最期の言葉を呟いた。
そう、あの時、黒崎一護は死んだはずだ。
――死ぬなっ!
その言葉がこんな道を用意したのだろうか?
今自分は確かに生きている、だけど、その体はあまりにも幼い。
そして、自分はもう一度黒崎一護として生きる事になるとは、死を覚悟した時の自分には分かるはずもなかっただろう。
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