二つの魂
5
冷たい雨が降る。
声が聞こえる。
――自分は死んだのではないのか?
ふっと彼女が目を開けると、半透明で今にも消えそうな自分の姿が映った。
――ああ、死ぬのか……。
彼女は自嘲するように口元を歪めるが、すぐに悲鳴を聞きつけ、消えかける足を動かした。
――オレは死神だ…たとえ、消えようとしても…守るべきものは守らねぇとっ!
その思いだけで彼女は地面を蹴り、そして、運命を動かす出会いをするのだった……。
それは偶然なのか。
それとも運命の悪戯なのか。
彼女はもう一度、その刀を振るう。
大切なものを守るために――。
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