橙ネコと氷雪の隊長
2
オレは瞬歩を駆使して、冬獅郎のお婆ちゃんの家にたどり着いた。
お婆ちゃんはどうやら外で洗濯物を干しているようで、家の中には居なかった。
オレの朝は大体冬獅郎のお婆ちゃんの家に行くか、執務室でじっと冬獅郎を見ているか、散歩しているかのどれかである。
オレはトコトコと庭行くとお婆ちゃんが洗濯物を干していた。
オレは一鳴きして、冬獅郎のお婆ちゃんの注意を引く。
「おやまあ、一護ちゃんじゃないかい?」
オレはそっとお婆ちゃんに擦り寄る。
「よく来たね。」
お婆ちゃんは一通り洗濯物を干し終えると、オレを抱えて家の中に入っていった。
「冬獅郎と桃は元気かね?」
オレは首を縦に振り、鳴き声を上げる。
「そうかい、元気で良かった。」
お婆ちゃんは本当に冬獅郎や彼の幼馴染の桃が心配のようでよく憂いているようで、オレはその心配を少しでも軽減させたいと思っている。
このお婆ちゃんと、桃は冬獅郎にとっての家族であるから。冬獅郎の家族なら必然的にオレの家族だと思う。
「一護ちゃんはお腹は空いているかい?」
オレはその言葉に申し訳なさそうに首を横に振った。
「おや、残念だね……。ああ、丁度いいね。」
お婆ちゃんは急に立ち上がり、台所から甘納豆をいくつか持ってきた。
「これを桃と冬獅郎に渡してくれるかね?」
オレは首を縦に振った。
お婆ちゃんはニッコリと微笑み、そして、オレの首に小さな風呂敷を巻つけた。
「頼んだよ。」
オレは肯定の言葉の代わりに鳴き、そして、瀞霊廷に向かった。
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