橙ネコと氷雪の隊長
1
『姉御っ!』
呼び止められた一護は顔を若干引きつらせながら振り返る。
一匹の猫が一護に駆け寄ってくる。
「……。」
一護は諦めたように肩を落とし、猫を見た。
「姉御は止めてくれ。」
『姉御は姉御じゃないっすか。』
「……。」
一護はどうしてこうなってしまったのかと、遠い目をする。
「あら、一護じゃない、どうしたの?」
「本当だ、あれ?その子お友達?」
聞き覚えのある声に一護は塀の上から覗くとそこには案の定、乱菊と桃の姿があった。
「あっ、乱菊さん、桃。」
「今日は猫の姿ね。」
「はい、散歩をしてたんです。」
『姉御、その死神たちは?』
「姉御いうな、馬鹿野郎。」
「「………。」」
猫の言葉が聞こえない乱菊と桃は不思議そうな顔をして一護を見た。
「はあ、近々顔を見せに行くから、今日は帰れ。」
『分かりました、姉御。』
「〜〜〜〜っ!」
一護は立ち去る猫を目で追いながら脱力する。
「何があったの?」
「んー、話すけど、二人は休憩?」
「ええ。」
「うん、一時間の休憩だよ。」
「なら、一緒にいても大丈夫だな。」
一護はそう言うと塀を蹴り、同時に人型を取り、布を早業で出し纏う。
「いつ見ても見事ね。」
「ありがとう。」
「じゃ、行こうか。」
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