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橙ネコと氷雪の隊長

 冬獅郎はある店の前で顔を顰めていた。
 色とりどりの菓子が並ぶその店に少年の姿はまあ、似合わなくはないのだが、そんな仏頂面でいられればなんとも合わない光景になってしまっていた。

「どうするか…。」

 冬獅郎が迷っている原因は一護にあった。
 彼女が人間の姿になれると知って約一月、彼女に日ごろからの感謝と謝罪の意味で何かを買おうと考えた冬獅郎は本気で頭を悩ませていた。

「…他のものでと考えれば、着物だが…もういらないとあいつが言っていたし、…どんなものだったらあいつは喜んでくれるんだろうか?」

 冬獅郎はネコの一護とはかなりの年数を共にしているが、人間の一護となると全くと言って良いほど何も知らなかった。

「……。」

 唯一最近知った情報によって、ここまで足を運んだのだが、種類の多さに冬獅郎は頭を悩ませていた。

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あきゅろす。
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