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橙ネコと氷雪の隊長

 冬獅郎は取り敢えず、あの記事に書かれていた女性とは付き合っている事を話し、そして、彼女を見世物にするつもりはない事をはっきりと言った。
 最後にこう突きつければ、檜佐木が検索する事はないのは冬獅郎には十分分かっている。

「もし、護れないであるのなら、この俺日番谷冬獅郎を敵に回す事になるだろうな。ついでに、同じ脅しを松本にも言った。」
「わ、分かりました…。ですが、よければ、日番谷隊長のインタビューは駄目ですか?」

 いかにも面倒臭そうに眉を寄せる冬獅郎に檜佐木は記者としての根性を出す。

「何で俺がそんな事を…。」
「今回の号で日番谷隊長の彼女かもしれない女性が出たんですよ、それを読者がそのままにしてくれると思いますか?」
「……。」

 檜佐木の言葉に冬獅郎は心中で否と思った。
 人の噂も七十五日と言うが、それでも、七十五日もの間一護を困らせるのは嫌だった。

「分かった、手短にな。」

 冬獅郎が許可を出したので、檜佐木は場所と日取りを決める。

「……時間はあまり取らせませんから、この日でどうでしょうか?」
「分かった。」

 溜息交じりの返事だったが、冬獅郎が約束を破るような人間ではないので、檜佐木にとってはそれだけで十分だった。

「ありがとうございますっ!」

 一護を護る代償にほんの少しの時間を削られる事になるが、それでも、冬獅郎は一護を護れたと思い、ホッと息を吐いた。

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あきゅろす。
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