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橙ネコと氷雪の隊長

 隊主会に何故か副隊長まで集まっている事に隊長たちは訝しんでいた。

「何事じゃ。」

 顔を顰める山本にくくくと笑い声が聞こえる。

「そうかっかせんでも良かろう。」
「主は。」
「夜一様っ!」
「四楓院夜一か。」

 三人の反応に夜一は猫の姿ではなく人間の姿で現れた。

「久しいの。」
「……。」
「夜一様、何故貴女がここに。」
「わしの一番弟子を皆に見せようと思っての。」
「兄の一番弟子だと?」

 怪訝そうな顔をする白哉に夜一は戸口に向かって声を掛ける。

「よいぞ。」
「夜一さん、もう少し穏便にしてくれよ。」

 現れたのはオレンジ色の髪を持つ少女で、死覇装を着ていた。

「……そやつは。」
「わしの一番弟子の一護じゃ。」
「一護ちゃん?確か日番谷隊長の猫も一護だったよね。」
「おお、その一護じゃ。」

 夜一の言葉に事情の知らない者たちが凍りつく。

「おい、四楓院、こいつはお前の玩具じゃないんだぞ。」
「いいじゃあまるまいか、コヤツにとってわしは姉であり、師匠なのじゃぞ。」
「……四楓院にとってそうかもしれないが、今は俺の彼女だぞ。」
「ほお、そこまでいっておったのか。」
「……。」

 完全に話の見えない隊長たちに夜一と冬獅郎は好き勝手言い合う。

「えっと…、皆さん。騙しているようですみませんでした。」

 一護は取り敢えず、頭を下げる。

「うむ…、しかし、始めてみたような気がせんの。」
「そりゃ、猫の姿を知っているからじゃないかい?山爺。」
「……いえ、実際猫ではなく、人間の姿でも皆さんにはお会いしていますよ。」

 一護は苦笑しながらそう言った。

「どういう事だ?」

 仏頂面の白哉に一護は頬を掻く。

「前に忙しい時があっただろう?」
「ああ、あの時ね。」
「あの時なのは分かるが、君がいたかな?」

 京楽と浮竹は暢気にそんな事を言っており、一護は袖口から黒いかつらを取り出し。

「実際皆さんにお会いしていた時はこの格好でしたから。」

 見覚えのある容姿に殆どの隊長が目を剥いた。

「コヤツはわしにとって妹同然、つまりはもし、コヤツを苛める奴がおれば、姉として容赦はせぬぞ。」
「ついでに言っておくが、こいつは俺のものだから、もし、傷つければ氷輪丸の錆にしてやるぜ?」

 好戦的な笑みを浮かべる二人に隊長格は顔を引きつらせたのだった。
 こうして、一護は護廷の隊長格にだけは正体をばらしたが、下位の死神には混乱を招かないように黙っている事となった。
 そして、一護自身は何処にも属さない事になっているのだが、それでも、ほとんどの隊長格は一護が十番隊のものだと認識している。
 その多くの理由は冬獅郎と一護が常に一緒に居て、しかも、イチャついているので当然言えば当然の事だろう。

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あきゅろす。
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