橙ネコと氷雪の隊長
5
一護は人気のない場所にいた、そして、血まみれの己の体を見下ろしながら苦笑する。
「…無様だな……。」
不意に一護の瞳から一筋の涙が落ちた。
「……護れなかった……。大切な人を……、オレは……無力だ……。」
次々と零れる涙は地面を濡らす。
一護は目の前が霞むのが涙の所為だと思ったが、実際は出血の所為だと思っていなかった。
「………戻らないと…。」
一護は猫の姿に戻るが、その瞬間、その小さな体が傷や疲労に耐えられなかったのか、彼女は意識を失った。
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