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悲しき祈り

「ただいま。」

 思ったよりも仕事の量が多く、いつもより遅くなったが、それでも、変わらず家の中からパタパタという音が聞こえた。

「お帰りなさい。」
「ああ。」
「今日の晩御飯はパスタにしたけど、どうする?」
「悪いが、先に風呂でもいいか?」

 冬獅郎の言葉に一護はニッコリと微笑む。

「別にどっちが先でも構わねぇよ。」
「そうか。」
「それじゃ、浴衣持って来るな。」
「ああ。」

 冬獅郎は一護の好意に甘え、そのまま浴室に向かった。
 隊長の証である羽織を脱ぎ、そして、死覇装を脱ぎ始めた時、勢いよく、扉が開かれ、冬獅郎は硬直する。
 中に入ってきたのは一護で、彼女は藍色の浴衣を手に持ち、そのまま籠に入れ、何事もなく出て行った。

「………。」

 一護が出て行ってしばらくしてようやく冬獅郎の硬直がとかれる。

「俺は男として見られていないのだろうか…。」

 そんな冬獅郎の呟きが空しく響く。

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あきゅろす。
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