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定めを覆せ

「……かあちゃん、はなしがあるんだけど。」

 幼子が母親のエプロンを引っ張った。

「一…護?」

 幼い子どもは今日まで一言も話さなかった、てっきり口が聞けないと思い込んでいたものだから、彼女の驚きようは半端じゃなかった。

「おやじも、よんできてくれないかな?」
「……一護?」
「しんけんなはなしなんだ。」

 年齢に見合わない話し方に母親は何を感じたのか、すぐに幼子の父親であり、彼女の夫である一心を呼んできた。

「いちごぉぉぉぉっ!」

 突進してくる父親に一護は顔を顰め、その小さな足で蹴りを入れた。

「うざい、ひげ。」
「真咲っ!」
「はいはい、後でね。」
「妻が冷たいっ!」
「で、一護、話はなんなの?」

 夫を放って置いて、母親は一護に話しかける。

「おやじはしにがみなんだよな?」
「「――っ!」」

 驚愕する夫婦に一護は淡く微笑んだ。

「そう、おどろかないでくれ、オレは…、ソールソサエティ…でざいにんとして、おわれた、たましいだ。」
「……。」
「……。」

 警戒する父親と、一護を案ずる母親に、一護は苦笑した。

「はなしがながくなりそうだから、すわろう?」

 場所を移して、一護はその小さな口で語り始める。
 己が元総隊長だった事、何故罪人となったのか。
 そして、協力者を探している事を。

「信じられないな……。」

 唸る父親に母親は悲しげな顔をする。

「だが、信じるしかなさそうだな。」

 父親の言葉に母親と一護は同時に喜色を浮かべた。

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あきゅろす。
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