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定めを覆せ

 お湯につかりながら一護は目を瞑る。
 これから起こす行動によって未来は決まる。

「……。」

 ゆっくりと湯船から腕を伸ばし、彼女は右手に霊力を集める。

「まだ…本調子じゃねぇな。」

 自分の霊圧が過去のモノよりも劣っている事に一護は微妙に唇を尖らせる。

「まあ、あいつの呪が解けない限りオレも解けないけどさ……。」

 一護は溜息を吐いて、天井を睨む。

「何を黄昏ておるっ!」
「へあ?」

 ガラリと扉が開き、一護は目を見張る。

「る、ルキア?」
「貴様が悩むなんてらしくない。」
「お、お前っ!何で裸なんだっ!」

 バスタオルで体を隠しているが、その体は裸であった。

「決まっておるだろう。」

 嫌な予感しかしない一護は顔を引きつらせる。

「背中を流しに来た。」
「はぁ!」
「何だ、絶世の美少女が背中を流してやるのにその反応は。」

 嘆かわしいというように首を振るルキアに一護は怒鳴る。

「お前な、自分の体形を考えろ。」
「……。」
「それに、オレもお前も女、何だよその男子なら喜びそうな行動は、オレとしては冬獅郎に背中を流したい。」
「……さらりと惚気るな馬鹿者。」
「……。」

 一護は自分の発言に顔を真っ赤にさせ、湯船に顔を沈めた。

「まるで穴があったら入りたいようだな。」
「……。」
「それにしても、いつ見ても貴様の体つきはいいな。」
「馬鹿野郎っ!」

 一護は思わず白打を使い、ルキアの頭を殴る。

「あっ…悪い。」

 タイルの上に沈むルキアを見て一護は苦笑する。

「何が悪いだ、この馬鹿者っ!」

 白雷をルキアが使い、一護はシャレにならんと顔を真っ青にさせ、反射的に技を無効にする術を発動させる。

「何をするのだ。」
「それはこっちのセリフだっ!」

 風呂場で言い争う二人は、あまりに長い事風呂場にいる二人を心配して覗きに来た夏梨が来るまで言い争っていたのだった。

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あきゅろす。
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