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定めを覆せ

 一護はビルの上に立ち目を閉じていた。

「……来たか。」

 一護が目を開けた瞬間、彼女は現れた虚を斬月で斬った。

「あー、やっぱり半端ねぇな。」

 好戦的に笑う一護は斬月を使い、そして、気まぐれに鬼道を使う。

「んー、やっぱり苦手だな〜。」

 白雷を打った一護は己の手を見て、眉を顰めた。

「…おっと。」

 気配を消して現れた虚に一護は身を捻り避けた。

「破道の四、白雷。」
「おっ、ルキア。」
「貴様、何を遊んでおる。」

 仁王立ちするルキアに一護は苦笑する。

「だってさ、マジで雑魚ばっかりで退屈じゃん。」
「だからって貴様っ!」
「っと。」

 怒りで震えるルキアだったが、一護は彼女の背中を狙う虚を見て、瞬歩移動し、斬月で虚の攻撃を受け止める。

「――っ!」
「注意散漫、人の事言えないな?」

 片目を瞑る一護にルキアは悔しそうな顔をした。

「すぐに挽回する。」
「頑張れ………ってようやくラスボス…違うな小ボス登場か。」
「一護?」

 空を見る一護にルキアは不思議そうに同じように空を見た。

「何を……――っ!」

 ルキアは空に亀裂が入り、目を丸くさせる。
もし、これが小さな亀裂ならばルキアとて、驚かなかったが、それはかなりの大きさのものだった。

「これは。」
「大虚。」
「…大虚。」

 固唾を呑むルキアに一護は口角を吊り上げた。

「こいつを倒すか…それとも…。」

 一護は一瞬悩むが、すぐに決断する。

「ルキア。」
「何だ?」
「オレから離れろ。」
「……。」

 ルキアは一護が何をしようとしているのかは分からなかったが、それでも、自身の身を案じているのだと、ルキアは分かっていた。

「分かった。」
「んじゃ、三秒だけだ。」
「ああ、十分だ。」
「一。」

 一護は斬月を下段で構える。

「二。」

 青白い霊圧を一護は込めた。

「三っ!月牙天衝っ!」

 真っ白な刃が大虚の横をすれすれでよぎった。
 大虚はそれに驚き、退避をする。
 一護はそれを満足そうに見て、そしてこう呟いた。

「流石オレ。」

 一護は初めから大虚を退避させるのが目的だったので、大虚の横すれすれを狙ったのだった。
 そして、念のためにルキアには安全な場所に逃げるように指示を出したのだ。

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あきゅろす。
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