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定めを覆せ

 一護は斬月を振るう。
 彼女が昇華させたのは数体の虚だった。

「一護。」
「ああ、ルキアか。」

 一護の学校の制服を着ているルキアが一護の隣に立った。

「どうだ、体の方は?」
「ああ、まだ違和感があるが、その内慣れるであろう。」
「そうか、悪いな。」

 突然謝る一護にルキアは怪訝な顔をする。

「何も知らないのにあれこれと注文だけは付けているからな。」
「……。」

 一護の言葉にルキアは嘆息する。

「貴様はそのような心配はわたしにはいらぬ。」
「だが。」
「貴様はわたしのためを思って黙ってくれている、それが答えではないか。」
「……ルキアは不安じゃねぇのか?」

 ルキアはまたこやつの悪い癖が出たと思った。
 彼女は突き進む時は迷いがないのだが、それでも、一度迷ってしまうと同じところをぐるぐると回ってしまうのだ。

「馬鹿者。」
「いだっ!」

 ルキアは一護の背中をバシリと叩いた。

「貴様は余計な事は考えず前を走れ。」
「…お前もっと加減しろよ。」
「うじうじとしている貴様が悪いのであろうが。」
「へいへい。」

 適当な返事をする一護であったが、ルキアのお陰で少しだけだがもやもやがマシになった。

「今日は皆のところに顔を出すのだろう?」
「ああ、どのくらい強くなったか確認しねぇとな。」
「そうだな。」

 頷くルキアに一護はふっと空を見上げた。

「一護?どうした。」
「……いや…明日は何か荒れる気がする。」
「……。」

 一護の言葉にルキアは眉を寄せた。
 一護の勘はよく当たる、そして、戦いの事になるとその勘が当たる可能性はかなり高くなるのだ。

「皆に注意しておくように言っておかねばな。」
「ああ、気のせいならいいんだけどな。」

 一護は無理な願いだと知りながらも、そんな言葉を口にするのだった。

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あきゅろす。
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