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天上華
10
 一護は簡単に朝食を作り、冬獅郎が食事をする中、お弁当まで作り上げた。

「冬獅郎、これ、持って行ってくれる?」

 勝手に作ったのはいいが、よくよく考えれば食事が向うで用意されているのならば余計な事だったかな、と一護は考え自信なさそうに言った。

「いいのか?」

 冬獅郎の言葉に一護は首を縦に振った。

「勿論、その為に作ったんだから。」
「そうか、ありがたく受け取る。」

 冬獅郎の笑みに一護は顔を真っ赤にさせた。
 初々しい一護の反応に冬獅郎は思わず彼女の頬に口づけを落とす。

「ふみゃっ!」

 突然の事で一護は頬を押さえ、変な声を上げた。

「…ふみゃって…お前……っくくく!」

 あまりにも可愛い反応に冬獅郎は口元を押さえクツクツと笑いだす。

「わ、笑うなっ!」
「わ、悪い…だが……本当にお前は可愛いな。」
「可愛くなんかないっ!」

 一護は頬を膨らませ、そっぽを向く。

「お前は可愛いよ、ほら、機嫌を直せ。」
「……。」
「一護、帰りに買ってくるものとかないか?」
「………………ある。」

 一護は冬獅郎の言葉を無視しようとしたが、台所事情を思い出し、負けたような気がしながら口を開く。

「帰りに買って帰るからメモをくれないか?」
「うん、ちょっと待ってな。」

 一護はパタパタと走り、走り書きだが、それでも、十分丁寧に書かれた文字に冬獅郎は目を細める。

「ああ、分かった。」

 メモを懐に仕舞い、冬獅郎は脇に置いていた羽織を羽織る。

「行ってくる。」
「いってらっしゃい。」

 玄関まで冬獅郎を見送った一護はニッコリと微笑みながら冬獅郎の姿が見えなくなるまで手を振っていた。

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あきゅろす。
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