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セブンス・リート


アークとジョイスは血こそ繋がっていないものの、兄弟同然に育ったのだ。ジョイスと出会って15年経った今でも、それは変わらない。
ジョイスは大切な家族の一員だ。

「――修理、店に頼んでやってもいいぜ」

下町には腕の立つ職人が開くフォノ装置の修理屋がある。
この手のミュージコードの修理代は高くつくが、顔なじみのアークが頼めば多少安くなることは間違いなかった。

「ホントか!?」

途端、ジョイスの顔がぱあっと輝いた。

「ただし、頼むだけだからな。修理代は自分で払えよ」

嬉しそうなジョイスの顔を見ているとつい頬が緩みそうになって、アークはわざとらしく咳払いをした。
ジョイスよりも2歳年上であるだけなのに、こういうときには兄貴面をしてしまう自分がいる。

「じゃあ、修理屋にはあとで行くとして――あ」

あ、と言った口のままアークが固まった。

「どうしたんだ? そういえばさっきオレのこと呼んでたよな?」

怪訝な顔をしたジョイスに覗きこまれて、アークの青い瞳が左右に揺れた。


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