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セブンス・リート


あのときの悔しい想いは鮮明に胸の中に残っている。

――今度こそ、みたい。

膨れ上がる気持ちを押さえきれず、ジョイスはそっと表紙に手をかけた。
誰かに咎められるかもしれないという遠慮と、本を見たいという欲求がないまぜになって、手のひらが汗ばんでくる。
開いた拍子に舞い上がった埃にさえ心臓が飛び上がった。

中表紙は、黒字で本のタイトルと著者名が印字されている。
あと1ページ開くだけで中身を見ることができるのだ。息が詰まった。

震える手でそっとページを持ち上げる。ちらりと楽譜が見えたような気がした。黒い譜線の中で踊る音符。
自分が望んだものがそこにある――

「いらっしゃいませ。お客さんかな?」


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あきゅろす。
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