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セブンス・リート


「録音機(ミュージコード)か」

アークやジョイスのような一般人にとって、電気は希少な資源だ。電気をおこすにも、その電気を家庭へ供給するのにも、莫大な費用がかかる。
王室の人間や高位な貴族でもない限り、電気を使うことはない。
その代わりとして、一般人の生活はもっぱら火によって成り立っている。
だが、火が生活の全てを占めていた時代は、ここ数十年の間に新たに発見されたエネルギーによって幕を閉じようとしていた。

音(フォノ)だ。


フォノとは、世界中のあらゆる有機物・無機物が持つ音楽的な波動のことを言う。
とある音調波学者によって、人はもちろん、犬も猫も、鳥も、虫も、草木や小石、そして空気でさえ、その中に独自の音楽的メロディを持っていることが証明された。
詳しくは分かっていないが、その音調波学者は地上のあらゆるものの音を解析し、この新たに見つかった音楽的メロディのパターンを波動という形で表現し、音(フォノ)と名づけたのだという。

そして、手始めに空気中のフォノをエネルギーとして開発されたのが録音機(ミュージコード)なのである。

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