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セブンス・リート


建物と建物の間に埋もれるようにしてそれはあった。
言われなければ通りすぎてしまいそうになるほど、ごく普通の民家である。

外壁はオルクラクスでは一般的なコークロスの木で作られ、通りよりも一段高いところに玄関があった。

「ここが、ミュージコードの修理屋…?」

二階ではためく真っ白なシーツを見てジョイスは首を傾げた。隣家に訪ねていくような感覚にしかならず、どうにも調子が狂う。

「まぁ待てよ。物事を見かけで判断するなっておフクロに言われなかったか?」

片足を玄関につながる段差にかけて、アークは自慢気に戸口を指差した。その真上、一階と二階を分ける太い木の間に挟まるようにして板が打ち付けてある。

『トンボイトン・ギズモ』

蛇がのったくったような字は確かにそう読めた。

「さ、入った入った」

アークに背中を押されながら建物に入ると、途端、不思議な光景が広がった。


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