セブンス・リート
9
「なんだか怖いよな」
「黒獣がか?」
「だって、」
歌を聞いた人間を餌にするんだろ、とジョイスは眉をひそめる。
「なんか残酷ってゆーか…」
「…黒獣が絶滅した理由を知ってるか?」
「いや…」
「その行為を残酷だと見なした人間が根こそぎ殺したんだ」
人間と黒獣族の間に起こったいさかい。己と異なるものを排除しようとする思考。
「…ごめん」
うつむいたジョイスを見て、アークはまずいと感じたらしい。
隣でガサゴソと紙の擦れる音が聞こえ、
「まぁ、そう思うのも無理はないさ。それより早く覚えるぞ」
そう言ってアークは分厚い紙の束を見せた。
先ほどサリアからもらった台本である。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!