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セブンス・リート


政策の第一線である聖歌学院は、国の庇護のもと日々歌い手を輩出し続けているのである。

入学するためには、入学試験の他に莫大な入学金も必要だ。そのため、結果的に生徒は貴族の出が多くなる。
それでも遠く見える高みに憧れる人間はいるのだ。

ジョイスもそこに含まれる人間のうちの一人だった。

オレはあそこを目指す。

そう決めたのはいつだったか思い出せない。気がつけば歌の勉強に必死になっていた。

入学試験のための勉強は1日足りとてかかしていない。
朝のボイスチェックは習慣になっている。
古本屋をめぐって音楽の本を見つけると、内容に関係なく頭に叩き込んだ。
下町のパン屋で働いたり、新聞売りの仕事をしたり、サリアの芝居を手伝ったりして入学資金も貯めている。

――いつか、あの世界に行きたい。



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