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セブンス・リート


ポケットを探るジョイスの手が止まった。

「歌う妖精」。
エリフィアの別名である。その小さな姿に似合わず美しい声でさえずるのが所以だ。

アークは肩の荷物を背負い直すと視線を上げた。
その先には壮麗な尖塔が幾重にも連なり、白亜の屋根の頂点には十字鍵の旗がはためいている。
すぐ近くにありそうで、その実手を伸ばしても届かない。

「お前の夢には必要だろ? 未来の歌い手さん」

『祭典』の騒音の中にもかかわらず、その言葉ははっきりとジョイスの耳に届いた。

歌うことへの憧れの象徴が、遠くに見える尖塔だった。

「ルクスフォニア聖歌学院」。

人々は白亜の城をそう呼ぶ。


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あきゅろす。
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