セブンス・リート
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ラグノール大陸の西に位置する聖歌国家オルクラクス。
その首都ルクスフォニアを中心に、毎年春に開かれるのが『音楽の女神の祭典(サローネ・デル・ムーシケ)』である。
音楽の女神ムーシケはオルクラクスにおいて聖なる神としてあがめられている。
今や国家をあげての一大イベントとなりつつある祭典だが、もとはと言えば、女神の導きによって人間が聖地(オルクラクス)を見つけ、聖歌国家が成立した日を祝うための祭りなのだ。
普段から「歌の都」と呼ばれ華やかなこの街も、祭典にいたっては道という道、建物という建物が祭り一色に染め上げられる。
この日ばかりは身分の上下もなく、物乞いも胸を張って太陽の下を自由に歩けるのだった。
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