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セブンス・リート


「アーク、それなんだ?」

修理屋に向かう道すがら、アークの後ろをついていったジョイスは、肩に乗せられた大きな袋を指差した。

日が昇れば昇るほど『祭典』は一層の盛り上がりを見せているようだった。大通りは普段の倍近くの人間で溢れているし、屋台からは客引きのためか威勢の良い掛け声があがる。


人混みを通り抜けるのには邪魔になりそうなその袋は、なにかが詰まっていて重そうだ。中身を無理やり押し込んで縛ったのか、口からは金色のひものようなものが覗いていた。

「おふくろに言われたこと、もう忘れたのか」

アークは仕方がないという表情をしながらも、袋の口を開けてみせた。中には、古びたランプ、本、陶製の人形などなど、雑多なものが入っている。金髪のかつらもあった。さきほど口から見えたのはこれだったのだ。

アークは、ジョイスが的当てに夢中になっている間に小道具を借りてきていたのである。

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あきゅろす。
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