だって俺等、双子だから。[前]※血表現 ドカッ…バキッッ…ドゴォッッッ!!! 「ぐ…はっ…」 紅い、紅い血が飛び散る。 その量はもう死に価するのではないか、と言う程に大量だった。 「コイツ、中々口を割らないな…」 「あぁ…どうする?このままだとXANXUS様にお怒りを…」 ―遠くで、ヴァリアーの下っぱの奴等の声が聞こえる…。 俺はここで死ぬのか…。 XANXUSがあの時石化を解いたのも白蘭様の情報を俺から聞き出すため―… まぁ、俺は死んでも白蘭様の情報なんて喋んねーけどな。 どんどん意識が遠ざかって行って、遂にはヴァリアーの下っぱ共の声まで聞こえなくなった。 ………白蘭…様… バンッッ!!! 「「「!?!?!?」」」 突然開けられた扉。 あまりの音の大きさに俺は再び現実の世界に呼び戻された。 (な…んだ…?) 「お前等何やってんの?そいつ仮にも王子なんだけど」 「ベっ…ベル様!!」 (は…?ベ、ル…?) 『ベル』それはヴァリアーの幹部である実の弟だった。 「早くそいつ離せよ」 「しかしっ…コイツから白蘭についての情報を聞き出せとXANXUS様から…「いーから離せよ。てかもう白蘭の情報いらねーし」」 「えっ…?白蘭の情報はいらない…?どういうことですか?」 「どういうこともこういうこともねーし。ただ10年前の沢田綱吉達が白蘭倒したから、もう聞き出す必要ねーってこと」 「何と…!ボンゴレ]世が…」 辺りにいた下っぱ共がざわざわとざわめき始める。 「つーわけだから、そいつ離せよ。死にたくなきゃ手錠の鍵渡しな」 「は…はいっ!」 下っぱの1人がベルに鍵を手渡す。 ベルはそれを受け取ると、その鍵を人差し指で回しながら、俺の方に歩いて来た。 「ししっ、みっともねーカッコ」 「…………」 ガチャガチャと手錠が外される。 俺の手首には手錠の痕が残り、ベルの言う通り、なんともみっともない格好になっていた。 「うししっ、救出かんりょー♪じゃあな、お前等」 ベルはそう言うと、俺を背中に乗っけてこの暗い地下室から出ていった。 ―俺の記憶はここまで。 俺はそのままベルの背中で気を失ってしまったようだ。 →NEXT(後編へ続く) [次へ#] [戻る] |