無事で良かった(砂奈様/ベルフラ)
「は?フランが帰って来ない?」
「あぁ。もう帰って来てもいいはずなんだけどなぁ」
フランが任務に行ったままなかなか帰って来ないんだと、スクアーロに聞いた。
確かに、この頃アイツを見ないなとは思っていたけれど。
「な、スクアーロ…」
「あ゛ぁ?」
「大丈夫、かな?」
「どうしたんだぁ?アイツを心配するなんてお前らしくねぇなぁ」
確かに、他人を心配するなんて俺らしくない。
でも、なんだか胸騒ぎがした。
―…アイツに、何かあったらどうしよう。
アイツの行ってる任務ってどんなだっけ?
ランクってS?
1人で行ってんの?
色々な考えが頭の中で交差する。
俺は居ても立ってもいられなくて、走り出した。
が、スクアーロに手を掴まれ、止められてしまう。
「う゛ぉぉい。どこいくんだぁ、ベル」
「フランのとこに決まってるんだろ!止めんなよ!!」
「駄目だぁ。行かせられねぇ」
「何でだよ!フランに何かあったら…!!」
だって、だって、マーモンの時もそうだった。
なかなか帰って来ないな、と思ったけど、大丈夫だと信じていた。
なのに、マーモンはそのまま帰らぬ人となった。
もう、嫌なんだ。
俺の目の前から、大切な奴がいなくなるのは。
もう…堪えきれない。
「アイツにっ…アイツに…何かあったら…!!」
「ベル…」
気が付けば俺の頬に涙が一筋。
うっわ…だっせー…
「ただいま帰りましたー」
「………っ!?」
ガチャリとドアが開き、いつものやる気のなさそうな声がした。
俺は咄嗟にスクアーロの後ろに隠れる。
「う゛ぉぉい、ベル…」
「いいから盾になってろよ…っ」
生きて、た…。
嬉しいけど…
嬉しいけど…、泣いてたの気付かれた…?
「センパーイ?どうしたんですかー?」
「うるせっ…さっさとボスに報告書出して来いよ…っ」
「……センパーイ、ミー任務でちょっと怪我しちゃって…。先に医務室行ってもいいですかー?」
「……怪我?…したの?」
俺はスクアーロの背中からひょこ、と顔を出して聞く。
「あ、やっぱり泣いてたんですかー?何かありました?」
「…ッッ!?だっ…騙しやがったなこのクソガエル!!」
「だってベルセンパイがミーが帰ってきたっていうのに顔合わせてくれないからー」
ぷぅ、と口を尖らせるフランが愛しく思えて、俺は思いっきりフランを抱き締めた。
「セン、パーイ?怒ってるんじゃなかったんですかー?」
「……何で、」
「はいー?」
「何で、こんなに遅く帰ってくんの…」
「…ごめんなさいー、ベルセンパイ。思ってたより敵が多かったんですー」
俺の腕の中で、しゅんとなるフラン。
…可愛い。
「ふーん…でも、」
「……?」
無事で良かった
(マーモンの時みたいに、帰って来なかったらどうしようかと思った)
(ミーは死にませんよー、ベルセンパイが生きてる限りは)
─━─━─━─━─━─━─━─━─
=あとがき=
砂奈様リクエストのベルフラでした。
なんか、ベルフラじゃなくてフラベルっぽい…?
グタグタですみませんっ!!
霧番&リクエスト、ありがとうございました(≧∇≦)
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