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キリリク小説
野獣と美女
ジリリリ

と、仕事の終了を告げる音が鳴り響く


定時の時間になったな。さて帰るとするかな、と。颯爽とデスクの上を片付け始めオフィスを出ようとすると…

『レノ、ちょい話あるんだけど…酒飲みながら話しねぇ?』
え?俺…今日はアイツが帰ってくるんだぞ、と。でも可愛い後輩の話じゃ聞かない訳にはいかない。ロッドの表情が暗い事に気付いてしまったしな、と

しかたねぇ、アイツに待っててもらうか…

『りょーかい、と。一本電話させてくれよ?』
携帯を取出し俺は大切な相手に電話を掛ける


『…俺、今日無理だぞ、と。ロッドの相談に乗るんだよ…ん、愛してる。…俺も…シたいぞ、と』
携帯を閉じて話を終わらせた。ロッドの視線を感じ…耳まで赤くなるのが自分でも判った

『男か?レノもてるからな…俺にもヤラせろよ?』
ケラケラと冗談を言いながらオフィスを先に出ていくロッド。俺も後ろを付いていった

『バーカ!!何でオマエにヤラせなきゃなんねぇんだよ、と。俺は軽くないぞ。』同じ様にケラケラと笑いながらポケットに手を突っ込み歩いていく。ロッドがいきなり止まりボーッと歩いてた俺はぶつかりそうになった。

何してんだ!!って文句を言おうとしたら…


なっ?何?

この感触って…キス?されてんの?俺…
突き飛ばそうにも、俺ポケットに手突っ込んでんだよな、と。
ってか冷静でいいのか?俺
俺にはアイツが居るんだろ


『って何してんだよ、と。冗談にしては笑えないぞ、と』
ポケットから手を出しロッドの胸板をポフッと押し離す


『冗談なんかじゃねぇよ?アンタ鈍感だよな?』


鈍感?悪戯に一々目くじら立てるのも俺らしくねぇな?と


『鈍感でも何でもいいぞ、と。んで、何処で飲むんだ?』

『俺ン家!近いからいいだろ?』
ニンマリと笑うロッドが見えた。んなに酒飲みたいのか?仕方ない。別に何処で飲んでも変わらねぇし俺はいいけど…


この浅はかな考えが俺に逃げ場を無くす事を俺は知る由も無かった…






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あきゅろす。
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