温泉旅行+α
『おお!イタリアなのに和風な感じ!』
「しかも結構広いですね。」
「これがジャッポーネの温泉!」
『いや、ここはイタリアだって。』
「・・・なんで?!」
スパナや正一たちと盛り上がっていると急に白蘭が叫びだした。
いや、何でってこっちが聞きたいし。
しかも自分は当然のことを言ってる!みたいな顔するの止めて欲しい。
(真面目に腹立つー。)
「名前チャン、僕と二人でじゃないの?!」
『お前となんか二人で居てみろ、身が持たない』
「え?それは夜のアレ的な意味で?」
『一度死ね』
どうしよう、この人。本当に頭沸いちゃってるよ。
大体、大人が子供に手を出すとかロリコンとしか言いようがない。
それこそγ兄貴がユニちゃんに手を出すのと同じじゃ・・・いや、γ×ユニは嫌いじゃないけどね!
寧ろ好きに入るくらいで・・・。
でも実際に自分が同じ目に合うとしたら話は別だよ。
(特に相手が白蘭なら尚更!)
「じゃあアタイ等は先に行くから名前を寄越しな白蘭様」
「うん。なんか僕全然敬られてない気がするんだけど。え?僕ボスだよね?ボスですけど!?」
「じゃあね、ボス。」
『待ってーアイリス姉ー!』
「スルー?!」
白蘭が気を緩めた瞬間、ささっとアイリス姉の横に移動した。
アイリス姉と知り合ったのはつい最近で、また探検しに部屋を出た所いつもの如く・・・迷った。
そして元来た道を(覚えてる限りの)戻っていっても迷子だった。
絶望に(自分の不甲斐なさに)浸り、突然大声を出しながら走りたくなる衝動に駆られ、曲がり角を曲がったらアラ不思議!
大きな胸に顔面クリティカルヒット!
それがアイリス姉との運命の出会いだった。
(・・・我ながら凄い出会い方だと思う。)
「名前は可愛いんだから気を付けなきゃ駄目よ?」
『可愛くないけど・・・変態には気を付けるよ!』
「そうしな。」
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「白蘭さん、アイリスさん達行っちゃいましたね。」
「・・・・・・。」
「いや、そんな心底嫌そうな顔しないでくださいよ。」
アイリス達が名前さんを連れて行ってから白蘭さんの機嫌が悪い。
むしろ悪い所では無く、めちゃくちゃ機嫌悪い。
(あ、お腹痛くなってきた・・・。一体何の為の温泉なんだよ!)
「正一、正一」
「スパナ、君は空気という物が読めないのかい?!」
「混浴あるかな」
「知るかーーーー!!ちょ、空気嫁・・・じゃないや読め!」
行き成り何てこと言い出すんだ!!
その所為で僕まで可笑しくなっちゃったじゃないか!
そして何故そこで反応する、白蘭さん。
え?何?こんな人しか居ないの、ミルフィオーレ!!
「その手があったか!ナイス!スパナ!給料少し上げとく!」
「やった」
「おい!」
「仲居さーん!!」
「やめんかーーーーー!!」
いや、というか何でこんな時にタイミング良くいるんだよ!!
空気読んで!真面目に!
「何でしょうか?」
「混浴ってある?!」
「え?あ、ありますけど・・・」
相手超ドン引きしてるんですけど!
返答に一瞬迷ってたんですけど!!
(た、他人の振りしよう・・・。)
「今日の夜の八時くらいから貸切していいですか?」
「えっと、それは・・・」
「いいよね?」
「は、はいぃぃ」
半分悲鳴のような返事を残し、仲居さんは逃げるようにして去っていった。
というか最早脅しじゃ・・・。
・・・・他人のふり他人のふり他人のふ「正チャン、手伝ってね?」
「・・・はい。」
ああ、名前さん。
「貞操に気を付けて下さい。」
今はそれしか言えないです、ごめんなさい。
温泉旅行+α
(ゾクッ・・・なんか寒気が・・・)
(本当かい?気を付けなよ、弱ってる所に付け入ってくるからね)
(うん、なんか大丈夫な気がしてきた。)
(それは良かった。)
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