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夢の硝子玉
10




「おい…少し、休もうぜ…」

一行は泉を探して山を歩き回ったが、魔物に遭遇するばかりで肝心の泉はまるでみつからなかった。



「こんなことなら、あの泉に戻れば良かったな…」

「今更、そんなこと言ったって仕方ないだろ!」

「待って…
なんか、水の音がするよ…」

「え…?!」



エリオットのその一言で、皆は口をつぐみ、耳を澄ませる。



「本当だ!こっちだ!」

ラスターはそう叫び、水音の方へ向かって駆け出した。
三人もそれに倣う。

水の音は、だんだんと大きくなり、やがてその音の源が四人の目に映る。



「あんな所に…」

水の音は、四人の見下ろす崖の下を流れていた。



「どうする?」

「どうするって…降りるしかないだろ!」

「こんな崖を降りれるのか?」

「じゃあ、どうするって言うんだよ!」







「気をつけろよ!ゆっくりで良いからな。」

「わ…わかった。」

四人は、万一のことを考えて、各々の身体をロープに括り付け、一歩一歩踏みしめるように崖を下り始めた。
下から順に、ラスター、エリオット、フレイザー、ダルシャの順に並び、ロープの端は崖の上の大きな木に結び付けた。



「このあたりは滑りやすいから気をつけろよ。」

「うん。」

ようやく半分も降りたあたりで、ラスターはエリオットを気遣い声をかけた。



「あ……!」

「エリオット!!」

注意されていたにも関わらず、エリオットが足を滑らせ、ラスターの身体の上に滑り落ちた。
強い反動が、フレイザーとダルシャにかかり、二人は必死に足を踏ん張る。



「大丈夫か〜!」

「あ…あぁ、大丈夫だ…」

フレイザーがラスターの返事を聞いて安堵した時…ロープに不吉な違和感が伝わった。



「あ…!」

「あぁ〜〜!!」

フレイザーの上にダルシャの身体がのしかかり、そのまま四人の身体は絡みあいながら真っ逆さまに落下して行った…



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あきゅろす。
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