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夢の硝子玉
27
「……そっか、そうだよな。
なんで俺達の世界にあの石があるのかはどうしてもわからないが、確かにおまえの説は理に適ってる。
どの色にどの願いをかけたかはっきりとは覚えてないけど、とにかく俺達のみつけた五色を全部みつけてそれを割れば全ては元に戻るのかもしれない…」

「ここへ来たいって願ったのは赤だから、最悪でも赤さえみつかれば戻れるはずだよ。
でも、それじゃあ、僕は女の子のままでフレイザーは大人のままだし、僕達の家族は僕達のことを忘れたままだから、やっぱりどうしても五色共必要なんだ。」

「でも、もう二つはみつかってるんだから、あと三つだよな!
それに、双子石は皆には役に立たないもんだから気がねなく使えるよな!
……あぁ〜!なんか、俺、ものすごくやる気がわいてきた!」

フレイザーは興奮したように、両方の拳を力強く握り締めた。



「なんだよ、さっきまでそんなことありえないとか言ってたくせに…
……まぁ、良いや。
それより、今、困ってるのはラスターのことなんだよ。
ラスターが僕に本気になったらどうしよう?」

「そんなことなら悩むことないじゃないか。
他に、好きな人がいるって言ったらどうだ?
そうだ!ダルシャが好きって言ったら良いじゃないか!
ダルシャが相手ならかないっこないって思ってすぐに諦めるんじゃないか?」

「そんなのだめだよ!
元々、ラスターとダルシャは仲が良くないんだ。
そんなことでますますなかが悪くなったらまずいじゃないか。」

「そっか…じゃあ、ジャックもだめだな。
……ん?……ってことは俺しかいないのか!?」

「ええええーーーーっっ!
やだよ、僕がフレイザーを好きだなんて…」

「いや!これは却ってうまくいくかもしれないぞ!
考えてもみろよ。
俺達は二人共記憶をなくしててどういう関係なのかわからないんだ。
セリナは俺達のことを恋人同士だったんじゃないかって言ったこともあったよな。
ジャックだって、俺達の仲を誤解してるフシがあったじゃないか。
そんな俺達なら、きっと信じられると思う。
はっきり好きだっていうのはラスターに迫られた時にするとして、それとなく俺達がいちゃいちゃして見せれば良いんじゃないか?」

「えええーーーーっっ!
君といちゃいちゃ!?」

エリオットは、顔をしかめ身をよじり疎ましげにフレイザーをみつめる。



「面白そうじゃないか!
おぉ…愛しのエリオット〜!」

エリオットの方に両手を差し伸ばし、芝居げたっぷりに名を呼ぶフレイザーに、エリオットは大きな溜め息を吐いた。



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あきゅろす。
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