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夢の硝子玉
15




「オスカーさん、長い間お世話になりました。」

「オスカーさん、本当にどうもありがとうございました。」

まだ夜の明けきらない薄紫の空の下で、ダルシャ達は口々にオスカーへの言葉を述べる。



「そっちの用事がすんだら、またいつでも遊びに来てくれ。
待ってるからな。」

お互いが手を振り、オスカーの家から離れて行く最中、ラスターが振り向き一際大きな声をはりあげた。



「おやじーーー!
必ずまた戻って来るからな!」

そう叫ぶと、ラスターは町に向かって駆け出した。
残された者達は、一瞬戸惑いながらも、ラスターの言葉に顔を見合わせにっこりと微笑む。
オスカーは、目尻に溜まった涙をそっと指で拭った。







「あれ〜?
皆、どうしたんだ?こんな朝っぱらから。」

眠そうな顔をしたフレイザーが、扉を開く。



「……フレイザー…結局、連れの者はみつからなかったのだろう…?」

「……まぁな。」

「そうか……さぁ、行くぞ!
すぐに服を着替えてくれ。」

「えっ!?」

ダルシャの有無を言わさぬその口調に、フレイザーはまだぼんやりしながらも指示に従った。
フレイザーが顔を洗い服を着替えると、扉の前にはラスターがフレイザーの荷物を持って立っていた。



「さぁ、行くぞ!」

「行くって…どこへ?」

「良いから早く!」

眠気はなくなっていたものの、わけもわからないままに歩かされ、フレイザーはついにダルシャに声をかけた。



「なぁ、ダルシャ、そんなに急いでどこへ行くんだよ。」

「次の町から馬車に乗る。」

「馬車ならゾラーシュからも出てるだろ?
なんでわざわざ…」

「良いから、良いから!
さ、頑張って歩くよ!」

誰からも詳しいことを聞けないまま、フレイザーは皆と一緒に歩き続けた。



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あきゅろす。
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