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夢の硝子玉
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「……あれ?
フレイザーと連れの男は?」

畑仕事から戻ったラスターは、そう言いながら、部屋の中を見回した。



「ラスター……ちょっと……」

エリオットはラスターの腕を取り、そのまま庭へ連れ出すと、昼間のダルシャとフレイザーのやりとり、そして、フレイザーはなんとしても今日中にジャックを探し出すと言って、町に戻って行ったことを話した。



「そうか…そんなことがあったのか。
ダルシャがそんなこと言うなんてちょっと意外だけど…きっと、危険を感じたんだろうな。
セリナになにかあっちゃいけないって思って…
で……おまえはそいつのことどう思うんだ?」

「う…ん…僕にもジャックのことはまだよくわからないんだけど…
セリナに何か危害を加えるような、そんな悪いことはきっとしないと思う。
彼には多分過去に何か辛い事があって…そのことが何なのかはわからないけど…
もしかしたら、セリナに関係あることなのかもしれない…!」

「そいつの過去とセリナがどう関係するってんだ?」

「そんなこと、僕にもわからないよ。
ただ、そんな気がするだけ…」

「……そんな気が……か。
そいつがどんな目的でセリナに関心を持ってるのかはわからないが、とにかく、そういうわけのわからない奴とは関わらない方が良さそうだ。
そいつがみつかったにせよみつからなかったにせよ、明日、俺からもフレイザーにそう言うよ。」

ジャックが悪い者だとはどうしても思えなかったが、エリオットにはそれを証明する術はない。
エリオットは複雑な表情を浮かべながら、ゆっくりと頷いた。



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