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お題小説
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「あら、もう起きたの?
もう少し休んでたら良かったのに…」

クロワは数時間眠っただけで、起き上がってきた。

「私ならもうすっかり元気になりました。
昔から、身体だけは丈夫に出来てるんです、私。」

クロワは男の容態を見て、安堵したような表情を見せた。

クロワの薬の効果がやっと現れ始めたのか、苦しげだった息遣いがだいぶ楽になっていたのだ。

「シスター、後は私達で大丈夫ですから、シスターは町へお帰り下さい。
お忙しいのでしょう?」

「まぁ、私はあそこの責任者ですからね…
でも、本当に大丈夫なの?」

クロワは深くうなずき、シスターは町へ帰って行った。



シスターを見送り、男の寝ている部屋に戻るなり、メラニーが言った。

「ジャン…おじちゃんを看ててくれる?」

「いいよ、母さん!」

メラニーは、クロワに合図を送り、沢の近くまで歩いた。

「メラニーさん、何か、ジャンに聞かれてはまずいことでも?」

「……まずいというわけではないのですが……
時期をみて話したいものですから…」

「何ですか?
もしかしたら、あの男性のことですか?」

「……その通りです。
実は…あの男性は…オーバンといい……私の夫だった人なのです。」

「えっ!!
そういえば、確か、ご主人はジャンがまだ赤ちゃんの頃に行方不明になられたんですよね…?」

「そうなんです。
仕事にでかけたっきり、突然いなくなってしまったのです。
もう5年程前のことになります。
彼は、まるで神隠しにあったかのようにいなくなりました。
きっと、なんらかの事故か事件にあってもう死んでしまったんだと思っていました。
そうでなければ、うちに帰って来ないわけがないんですもの。」

「実は……」

クロワはそれだけ言って、その次の言葉を口にするのをためらっているように見えた。



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あきゅろす。
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