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お題小説
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「おかしいと思わないかい?
あんなに必死で逃げるなんてさ。」

「まぁ、確かにそうだが…
だからといって、あいつがクロワの探してた男だとは限らないぜ。」

「そりゃあそうだけどさ…」

「それに、あいつの瞳の色、確認出来たのか?」

「後ろにむいてたし急に駆け出したし…そんなの見る暇なかったさ。」

「そうだろう。
もし、別人だったら、またクロワを振り回すことになるんじゃないか?」

「う〜ん…」

「第一、クロワが今どこにいるかもわからないんだろう。」

「多分、まだあの夏至祭の町にいると思うんだけどさ。」

「どの道、その足でそんな所まで行くのは無理だ。
しばらく考えてみちゃあどうだ?」

「…………」



カーラとしては、すぐにでもクロワに連絡を取りたい所だったのだが、ミシェルの話を聞いていると確かにそうかもしれないと思えて来た。

ミシェルの時も誰かのいいかげんな話に振り回されて、クロワはこんな所まで無駄足を運ぶ羽目になってしまったのだ。

また今回もそうだったら…
いや、それよりも大事なことを忘れていた!
カーラ達はただマルタンに似た男をみかけただけで、彼がどこに行ったかもわからないのだ。

こんなつまらない情報をクロワに与えた所で、何がどうなるというのだろう?

やはり、これはクロワには言わない方が良いのかもしれない…

カーラは、あの時転んでしまった自分への怒りを再び強く噛み締めていた…



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あきゅろす。
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