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お題小説
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「ねぇ、表にはやっぱり赤だよね。
それとも黄色も混ぜた方が良いかな?」

「俺はどっちだって良いぜ。」

「チェッ!もう少し真剣に考えてくれても良いじゃないか。
あんたって愛想のない男だね、まったく。」

花にはほとんど関心を示さないミシェルに、カーラはいささか腹を立てていた。



「本当に頼りにならないっていうか、なんて言うか…」

カーラは、一人ブツブツと愚痴をこぼしながら、庭に植える薔薇を品定めしていた。

その時、ふと顔を上げたカーラは、一瞬、目を大きく見開き、手持ちぶさたに店内をうろつくミシェルに駆け寄った。



「ミシェル!!」

「もう決まったのかい?」

「違うんだよ!
あそこにいる男…見てよ。」

「どいつだ?
知り合いでもいたのか?」

ミシェルはカーラがあごで示した男を見た。



「どっちだ?」

「赤毛の方さ。」

「あいつがどうした?」

「あんたと年格好がすごく似てないかい?」

「言われてみれば、そうだな。
あ…!もしかして!!」

「そうなんだよ!
クロワの探してた男じゃないかと思ってさ。」

「…確か、オッドアイだったって言ってたよな。
ここからじゃわからない。
近くに行って確かめてみよう。」




「では、代金を…
釣りはいらない。」

「それは、それは…
誠にありがとうございました。」

「すぐに帰るか?」

「…………」

「オーバン…どうかしたのか?」

「振り向くなよ…
おまえの後ろにいる奴らの様子がおかしい…」

「…どんな奴らだ?」

「若い女と赤毛の男だ…」

「…そんな知り合いはいないと思うが…
私の知り合いなんだろうか?」

「どうも奴らの態度は普通じゃないぞ。
…ヤバイ!奴らが近付いてくる!
マルタン!走れ!薔薇の木を落とすなよ!」

マルタンとオーバンは一目散に走り出した。



「あっ!!」

「ミシェル!追い掛けるよ!」

人混みをかきわけながら、村の中を走り抜けるマルタンとオーバン。
そして、それを追うカーラとミシェル…



「あ……」

カーラのサンダルのベルトが切れ、カーラはバランスを崩しミシェルを巻き込んで倒れこむ。



「あ…いててて…」

「大丈夫か、カーラ?」

「畜生!こんな時に…」

その間に、2人の姿は見えなくなっていた。

仕方なくミシェルは足を痛めたカーラをおぶって家路に着いた…



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あきゅろす。
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