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お題小説

「すべては私のせいなのです。
家族が死んだのも、村が甚大な被害を被ったのも、すべては私があの水晶玉を割ってしまったなのです。
私はその後、村を出ました。
亡くなった人はもう戻りません。
しかし、私がこの村を離れたら、もしかしたらこれ以上の災いはもう起こらないかもしれない…そう考えたのです。
私は一生誰とも関わらず、そして与えられた災難や苦痛はどれだけでも受けよう。
そう考えたのです。
それが、私に出来る精一杯の罪滅ぼしだと…」

「そうだったのですか…
だから、あなたはどんなに具合が悪くとも薬は飲まないと決めたのですね。」

「そうなのです。」

「ケヴィンさん…あなたは間違っている。
12歳の子供だったあなたに起こった出来事は不幸だと思います。
真実を言えなかった気持ちも、わかります。
許されることではありませんが、子供なら仕方のないことだったのかもしれません。
しかし、今のあなたなら話せるはずだ。
あなたが最初にやらなくてはならないことは、自分に罰を与えることではなく、旅の男性に謝罪すること…出来るなら、真実を話しその人の濡衣を晴らすことなのではありませんか?」

「マルタンさん…」

「偉そうなことを言ってすみません。
私もそんな偉そうなことを言える人間ではないのですが、正論なんてものは自分のことを棚にあげないと言えるものではありませんから…
許してください。」

「……いえ…あなたのおっしゃる通りです。
私はなぜこれまでそのことに気が付かなかったのだろう…
私は、自分に罰を与えることばかり考えていました。
そうやって、私は自分の罪を軽くしようとしていたのですね。
恥ずかしいことだ…
マルタンさん…あなたのおかげで私は目が覚めました!
ありがとうございます。
近いうちにあの村へ行って、あの方の行方を探してみようと思います。」

「故郷の村へ…?
旅人がどのくらいの刑期をくらったのかはわかりませんが、もうずいぶんと時が経っているのでしょう?」

「もうかれこれ30年程になります。」

「それではいくらなんでも村にはもういらっしゃらないだろうが、探す手がかりとなると、まずは村しかありませんね。
ケヴィンさん!私達もお供しますよ。」

「そんなご迷惑をおかけしては…」



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あきゅろす。
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