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お題小説
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「いや、これはクロードが作ったもんさ。
俺はそれにほんの少し手を加えただけなんだ。
それにしても、あんたらの演奏は見事だな!
俺も楽器を持ってくりゃあ良かったよ。」

「あんたも楽器弾く?
何、弾く?」

「俺は、ミューズって楽器を…」

「ミューズ!!!」

小人達の顔色が変わった。
とても興奮しているようだ。

「おいら達、ミューズの演奏聴きたい!!
とってもとっても聴きたい!!」

「ミューズを知ってるのか?」

「もちろん!あれ、神様の楽器!すごいすごい楽器!
でも、まだ、聴いたことない。
おいら達、ミューズ聴きたい!!」

「じゃ、明日にでも弾いてやるよ。」

「だめ、だめ!
おいら達、今度、エリックが8つになって最初の満月しか出てこれない。」

「なぜなんだ?」

「人間と会える、3年に1回だけ、決まった!
約束破ったら、もう人間に会うのダメになる。
村も追い出される。」

「でも、クロードには毎日会って教えてたんだろう?」

「あれ、バレてから3年に1度だけ言われた。
人間のいる所、怖いこといっぱいある。
だから、ダメ!ピョラル様、そう言った。
でも、たくさんお願いしてやっと3年に1度だけ、許してもらえることなった。」

「そうだったのか…
だけど、残念だな…
…3年後には俺はもうここには来られない…」

「なぜ、来られない?」

「俺は病気なんだ…
俺の身体の中には悪いものが出来ててな…
俺はあと少しで死んでしまうんだ…」

「えっ!おじちゃん、死んじゃうの?」

「……あぁ……」

「やだ!おじちゃんが死んじゃうなんてやだ!!」

エリックは火が付いたように大きな声で泣き出した。



(……あれは…?
……間違いない!エリックの声だ!!)



マルタンは声の方に歩き出した。




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あきゅろす。
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