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天使からの贈り物
17
『そんなこと…
仮にそうだとしても、それほどうまい具合に戻れるはずがない。
思い通りの時間に戻る事なんて不可能に近い!』

「馬鹿言っちゃいけないな!
おまえ、忘れたのか?
この前、おまえが俺に言ったんだぜ。
『戻り方がうまくなった』ってな。
そうだ、俺はうまくなったんだ。
今度だって、絶対にうまくやってやる!
失敗なんてするもんか!!」

『……そして、スージーをまた危ない目に遭わせるのか?』

エレスの冷やかな視線がジュリアンを捕える。



「ディックはもう二度とあんなことはしない!」

『そんなことがなぜわかる?』

「俺が命に代えても絶対にそんなことはさせないからだ!!」

叫ぶようにそう言い残し、ジュリアンは部屋を出て夜の町に駆け出した。



『ジュリアン、どこへ行くつもりだ?』

「詰所に決まってるだろ!」

『どうしてもやるつもりなのか?』

「あたりまえだ…!!」

ジュリアンのその決意が変わらない事は、エレスにもすでにわかっていた。



『そうか…なら、好きにするが良い…』

そう呟き、エレスは姿を消した。







(ディック…待ってろよ!
絶対に…俺は絶対におまえを助ける!
ラリーやスージーのためにもおまえは死んじゃいけないんだ!!)

詰所の傍に着いたジュリアンは物陰に潜み、エレスチャルを握り締めて一心に祈った。



(エレスチャル…頼む!
どうか…どうか、ディックが無事な時に戻してくれ…!
もう一度だけ俺にチャンスを…!
どうしてもディックを救いたいんだ!!)





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