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天使からの贈り物
14




「あった!」

ふるいにかけた大量の土砂の中に、ジュリアンはいくつかのペリドットの塊を発見した。
それらを手に取り、ジュリアンは慎重に品定めをする。



「こいつとこいつはかなり良いな!
見てみろよ、エレス。」

そう言いながら、ジュリアンは少年のような笑顔でペリドットの原石を差し出す。



『良かったじゃないか。
エメラルドやルビーのようにはいかなくとも、ペリドットはそれなりに良い値で売れるだろう。
ちょうど路銀も底をつきかけていたのではないのか?』

「まぁな。
こっちの小さ目のやつは全部売る事にしよう。」

『良い方をスージーにやるのか?』

「当たり前だろ!」

相変わらず人の好いことを言うジュリアンに、エレスは目を細めた。

道具屋に立ち寄り、ペリドットを売ったジュリアンがラリーの家に着いたのは、すでに空に星が瞬く時間だった。







「遅くに訪ねてすまないな。」

「何言ってるんだ。
そんなこと、全然構わないさ。
むしろ嬉しいよ。
ジュリアン、良かったら今夜はうちで飲み明かさないか?」

スージーは、あれ以来、部屋に閉じこもったまま、食事にも手を付けていないのだという。



「……そうか…
気の毒にな…
しばらく時間はかかるかもしれないが、それも仕方のないことだよな。」

「……スージーの奴…
結婚を取りやめるなんて言い出してな…
ディックを追い詰めたのは自分だから、一生独身で通すとか修道院に行くとか言うんだ…」

「なんだって!」

「今は混乱してるからだと思う。
ロッシーが来れば、きっと落ちつきを取り戻すさ…
だが…スージーは子供の頃からまっすぐ過ぎる所があって…
言い出したら聞かない所があるから、ちょっと心配なんだけどな…
今回のことはスージーが責任を感じるようなことじゃないのに…
もし、誰かに責任があるとしたら…それはきっと俺だ…」

そう話すラリーの顔に暗い影が差した。



「なんでだ!?
なんであんたが今回のことに責任を感じるんだ?」

「それは……」

「もしかしたら……ディックがおふくろさんを医者に診せたくて寄付金を盗んだとかいう話のことか?」

「ジュリアン、なんでそのことを?」

ラリーは、目を丸くしてジュリアンの顔をみつめた。



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あきゅろす。
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