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ずいぶん遅い時間に、雪美の携帯が鳴った。

「メリクリ!」というタイトルの付けられた愛香からのメールを開くと、そこには、片目をつぶってポーズを決めて微笑む架月の写メが付いていた。

(わぁ〜〜〜!!
あいちゃん、わざわざ撮って来てくれたんだ!)

写メを見ながら感動していると、今度は電話がかかってきた。
それも、愛香からだ。

「雪美、写メ見てくれた?」

「うん!ありがとう!感激だよ〜!
あいちゃん、本当にありがとう!」

「へへっ、私から雪美へのクリスマスプレゼントだよ。
それよりね、ビッグニュースがあるんだよ!」

「何かあったの?」

「多分ね…彼ら、メジャーにいくと思う。」

「えっ!?」

「なんかね、ファンの子達と打ち上げ行こうかって話になりかけてたらね、業界っぽい人が来てさ。
で、メンバー、全員連れていかれて…」

「あぁ〜〜っ!!そういえば、今日、後ろの方になんかそれっぽい人いたよ!
ライブ中も腕組みして、じっと見てた!」

「…なんか、寂しいよねぇ…
もう出待ちしても話とか出来なくなるかもね…」

「そっか〜…」

それから、沙騎の話を聞かされ、電話を切ったのはもう夜明け近くなった頃だった。

愛香との電話を切ると、雪美はすぐに眠りに落ちた。

目が覚めたら、もう2時をまわっていた。
幸い、今日は何の予定もない。
二度寝しようかと思ったが、空腹を感じて雪美はもそもそと起きあがった。

冷凍の鍋焼きうどんを作ってすすっていると、テレビではなんだかよくわからないドラマがやっていた。
見るとはなしに見ていると、小さな子供達が家族でクリスマスを祝うシーンがあった。
テーブルいっぱいにおいしそうなご馳走が並べられ、その中央には真っ白な生クリームに真っ赤ないちごで飾りたてられたクリスマスケーキが置いてあった。



「あああーーーーーっっ!」



クリスマスケーキを予約していたことをテレビのケーキでやっと思い出した雪美は、あわてて着替え外へ飛び出した。

今日は架月は家にいるはずだから、今日はすっぴんでも大丈夫だ。

あの場所に着いたのはもう夕方近くになってのことだった。

「これ、お願いします。」

引換券を渡してケーキを受け取った時だった。

「あ〜、やっと来た!」

(ま、まさか、その声は…?)

振り返ると、雪美の思った通り、そこにはサンタの格好をした架月がいた…


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あきゅろす。
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