4 * * * 「そんな…! もうどうにもならないの!? あなただけ、こっちに残ることは出来ないの?」 レイラは、エディの両腕を掴み、不安に満ちた瞳を向けた。 「……ごめんね、レイラ… もう決まったことなんだ。 ……しばらくはあえなくなるけど……でも、電話だってかけられるし手紙だって送れるんだ。 そう深刻に考えることないよ。」 「いやよ、そんなの! 声や文字だけなんて、寂しすぎるわ! それに…そんな遠くに行ってしまったら、きっとすぐにあなたは私のことなんて忘れるわ!」 その言葉に、エディは失笑する。 「僕って、本当に信用されてないんだなぁ… 酷いよ、レイラ。 もう少しくらい、僕のことを信じてよ。」 「信じられないわ! だって……あなたはとってもかっこ良いし、成績も良いし、誰からも好かれて、あなたも誰にでも親切で……」 「……ありがとう、たくさん誉めてくれて。 でも、僕が愛してるのは君だけだよ。 親切と愛情は違うものだよ。」 「えっ!?」 「……なんだい、その驚いたような顔。 僕は何度もそう言った筈だよ? ……ねぇ、レイラ、そんなに僕のことが信じられなかったの? 僕、ショックだなぁ…」 エディは拗ねたように俯き、足もとの小石をこつんと蹴飛ばした。 「エディ……本当に信じて良いの? 私なんて…綺麗でもなけりゃ成績だってそんなに良くないし…」 「ストーーーップ!」 エディは、唇の前で人差し指を突き立てた。 「それはもう聞き飽きたよ。 君が自分のことをどう思ってるかは知らないけど、僕にとってはどの子よりも可愛く見えてるって言ってるだろ? それに、成績だって悪くないじゃない。 最近どんどん上がってるのを知ってるよ。 第一、僕はそんなもの全然気にしてないんだって、もう何回言ったか覚えてない位言った筈だよ。」 「……だって……」 今にも泣き出しそうな顔をするレイラに向かい、エディはにこやかに微笑んだ。 「僕の気持ちは変わらないよ。 どんなに遠く離れてても、どんなに長く離れてても……ずっとね。」 重い言葉を軽く話すエディに、レイラはどう答えて良いのかわからず複雑な表情を浮かべた。 [前へ][次へ] [戻る] |