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「ショーン!
あの人、どうなったの?
まさか、溺れたんじゃないわよね!
消えたみたいに見えたけど…まさかね。
ねぇ、ショーン!
黙ってないでなにか言ってよ!」

「エルマ…君は信じないかもしれないけど…マール様は、きっと天に帰られたんだよ…」

「て…天に?」

「うん。
実は…マール様は虹の神様の御使いだったんだ…」

「えーーーーっ?!」

「良いんだ。信じてくれなくても…
あ…でも、それじゃあ僕の運命の人は…」

ショーンは残念そうに小さな溜息を吐いた。



「ショーン…大丈夫??
どうかしたの?」

「あ…あぁ、大丈夫さ。
気にしないで…」

(仕方がない…マール様には何か急なご用でもあったんだろう…
それがすめば、また戻って来て下さるのかな?)

突然のマールの帰還にショーンは少し戸惑っていた。



「ショーン…ここがなぜ虹の湖って呼ばれてるか知ってる?」

「ううん、知らないよ。」

「ここは、虹の神様のお気に入りの場所で、時々神様は虹の橋を通って遊びに来られるって言われてるの…
でね…ここで、虹を見た恋人達は、虹の神様のご加護を受けて、一生仲睦まじく添い遂げることが出来るって言われてるのよ…
だから、さっきの人が虹の神様の御使いだってこと…私、なんとなく信じられるような気がするわ。
だって、あの人が消える所を私はこの目で見たんだもの!」

「ありがとう、エルマ!
でも、この湖にそんな伝説があったなんて、ちっとも知らなかったよ…
……えっ?!…なんだって…?
そ、それじゃあ、もしかしたら君が僕の…」

「何?私が、ショーンの何なの?」

ショーンの顔が真っ赤に染まった。



(マール様…そういうことだったんですか!
だから、あなたは帰られたんですね…
ありがとうございます!マール様!)

ショーンは、空の虹をみつめながら心の中でマールにそう呟いた。





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