Settimana2
「…はあ?俺の何が駄目だっていうんだあ?」
あの日からずっと思ってた。
だけど言えなかったよ。
尊敬する貴方には。
いつも私やディーノの上を行く貴方には、きっと私の言葉なんて届かないだろうって。
『スクは強いし、私の言葉なんてどうでもいいだろうけど…人の意見を取り入れるのも大事だと思うよ』
勇気を振り絞って言ったのに、スクアーロは鼻で笑った。
「余計なお世話だなぁ。説教ならあのヘナチョコ野郎にしてやれぇ」
コノヤロウ。
人がせっかくタイミング図って言ったのに。
…まあ今いうのもおかしいとは思うけど。
『ディーノかあ。…あのお坊っちゃまはこれからどうするんだろうね』
「さぁな。一生逃げ走ってんじゃねーかあ?もしかしたら裏世界から消えっかもなあ」
彼の冗談にあははっ。と笑って見せる…が、なんだか胸がつっかえた。
『…そういえばさ。最近ディーノ見ないよね』
「……」
嫌な空気が私たちの間に流れた。
「あのカス…」
『ホントに脱走しちゃったりとか?;』
…いやいや。
あのヘナチョコにそんな度胸があるわけ…
「もしかしてよお…カス共が噂してんのって、」
『…ちょっとちょっと。また冗談ですかスクさん。嫌だなあ、ディーノがここから逃げれる訳』
「逃げたぞ」
不意に飛んできたのは、スクとは違う高い声。
いつの間にか、私たちの前にはスーツ姿の赤ん坊が。
『なっ…!?』
「…なんだてめえ(気付かなかった…)」
家庭教師…。
あぁ、ディーノが言ってた例の凄腕スパルタヒットマンか。
…まさかこんな赤ん坊だったとは。
『…そ、それホントなの?』
「あぁ。この目でしっかり見たからな。今日で丁度3日目だ」
いやいやいや。
見てたんならどうして止めなかったんだ。
しかも3日も経ってるとは。
「めんどくさかったしな」
『……』
まさかまさか。
こんな赤ん坊に心を読まれるとは。
驚きを隠せない私に赤ん坊が勝ち誇った様にニヤリと笑った。
「う゛ぉおい…、ならやべえんじゃねえかあ?」
『た、確かに…。理事長やら上の人にバレたら大変な…』
「その心配はねーぞ。手は打っといたからな」
また私の言葉を遮った赤ん坊。
そして何者なんだこの子は。
この自信に満ちた発言。疑うことが出来ない。
「おっと。俺はそろそろ行かなくちゃな。…夜はこれからだ。存分に楽しめよ」
ニヤリと笑いを残し去っていった赤ん坊。
最後の言葉にスクアーロは顔を赤らめた。
その表情を見て、私も意味を理解した。
一週間2
(あの赤ん坊は一体)
(何をしにきたんだ…)
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