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 Condiscepolo1 






草畑に寝そべる少年2人。
ディーノ方は所々にかすり傷やらアザやら痛々しい怪我が見られる。





「うぅ…、ホッントにお前は手加減っつーもんを知らないよな!」


「はっ。俺の辞書に手加減なんざ載ってねえぇ」





スクアーロはというと…もちろん無傷。あのへなちょこディーノが未来の剣帝に抵抗出来るはずがない。







「…ったく、言い出しっぺはローサだってーのによーっ」


「あのバカにゃ後で椅子にペンキでも塗っとくぜ」




鼻で笑うスクアーロに、仕返しが怖いなと苦笑いを浮かべるディーノ。








『だーれがバカよ誰が!』





2人の頭上に現れたのは、赤髪を揺らし膨れ顔のローサ。




『そんなお子ちゃまな手に引っ掛かるのはディーノくらいしかいないわよ』


「…それもそうだなあ」


「なっ!!てめえらにゃ言われたくねー!」






反応さえまだまだお子ちゃまな彼を笑うスクアーロとローサ。








『はぁー…。ねえ、このまま午後の授業サボっちゃわなーい?』



ディーノの隣に腰を落とし2人に問いかける。





「さんせーっ!」


「俺はパスだぁ。午後は少し外に出る」




スクアーロの言葉に目を見開き、飛び起きたディーノ。




「また学園抜け出すのかよ!!」


「あぁ」



スクアーロの早い返答にムッと顔をしかめ、体育座りをしたかと思うと悔しそうに顔を埋めた。

そんな様子を見て、ローサも心配そうに眉をへの字に曲げて、



『スクアーロが強いのは判ってるけど…あんまり無理しないでね?』


「はっ。…人に心配されるとはなあ。俺も落ちたかあ?」




ククク…と喉を鳴らすスクアーロは自信満ち溢ている。
そんな彼に呆れてはいるが、少し微笑ましくて。




『もう…バカはどっちよ』





そう呟いたとき、静かだったディーノがいきなり顔を上げた。




「判った!!」


「『…はあ?』」




主語も述語もない発言に首を傾げる鮫とローサ。





「俺も連れてってスクアーロ!」

「却下」





そんなことだろうと即答するが、ディーノは諦めず。




「俺だってこんな学園抜け出してーの!だから連れてって!」





彼がそう言ったとき、スクアーロの雰囲気がガラリと変わった。





「…ざけんなヘナチョコ野郎。俺は逃げる為に外へ出るんじゃねえ」




急に立ち上がったかと思うと、今までとは打って代わり殺気満ちた目でディーノを睨み、




「俺は自身を越える為に外へ出るんだ。てめえなんかと一緒にするなあ」








そう告げると校舎を囲む壁を乗り越え、外へと出ていってしまった。










同級生1
(昔のお前は)
(あの壁くらい手の届かない存在だった)






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あきゅろす。
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