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「くっそ…どこ行きやがったぁあぁ!!!」






大股で廊下をズカズカと歩きながら怒鳴り散らす銀髪の少年。
彼の名はS・スクアーロ。




「あんのお騒がせ女とヘナチョコ野郎…」




鋭い目付きとだらしなく胸元まで開けたシャツから、彼の荒れた性格が出ている。

しかも今はかなりご機嫌が悪いらしい。






「……あん?」





ふとその悪い目付きに止まったのは…










『ちょっとディーノ!もう少しつめてよ!』


「バカ!これ以上つめらんねーよ!」





掃除用具箱に隠れようと自身を詰め込め合う男女が。


自分の機嫌を損ねた原因を発見した。
獲物を捕らえたかの様にスクアーロの口角がニヤリと上がる。





「…ローサってば太ったんじゃねえか?」


『なっ…!!サイテー!!』






バチーんッ!と勢いよく平手打ちを食らった金髪の少年は用具箱から押し出された。






「いってえ!!!おま、なにす……あ」



「よう…へなちょこディーノ。よくもこの俺の顔にラクガキしてくれたなあぁ?」







へなちょこディーノ…そう呼ばれた金髪の少年の口元がピクピクと無理矢理笑顔を作る。




「あ、あはは…。お、落ち着けスクアーロ…あれをやったのは俺じゃ…」


「問答無用!!」


「うわぁああぁあ!!!!」






逃げ足は速いへなちょこ。
それに出遅れず追い掛ける鮫。







『あっはは!相変わらず仲良いなー』





楽しそうに彼らを眺めるへなちょこにローサと呼ばれていた少女。






『でーも仲間外れは嫌だな…。待ってー!』





少し遅れて走り出す。

大好きな彼を追って。



はじまり
(走れ走れ、)
(青春は待ってくれない)



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