特別開架
暗い日曜日(日和/細道)
細道組。若干曽芭…?
※死ネタ・史実無視
シャンソン曲『暗い日曜日』パロ。タイトル通り、暗いですww
OKな方はどうぞ↓↓
暗い日曜日
風が吹き荒んでいた。
鉛色の空の下、僕は腕一杯に紅い花を抱え、独りで歩いていた。
僕はただ疲れ果てたまま、芭蕉庵に帰ることだけを考えていた。僕自身の家は別にあるのだが、それを考えるには僕の頭も身体も心も、疲れすぎていた。
空も泣き出した頃に芭蕉庵の床を踏んだ。雨の夕刻とあって室内は薄暗いが、灯を灯す必要はない。なぜならここには僕しかいない。わかっている。芭蕉さんは来ない。
『――――――――』
歌を、詠もうとした。僕の心を、貴方に師事した思いにのせて。出来た歌は出来損ないのありふれた挽歌で、不意に僕自身が日頃貴方の句に対し罵っていた言葉を思い出してしまった。更に袖が濡れた。
苦しくて声が出ない。ただ激しい風と水滴の音だけが僕の耳に響いて煩かった。
嗚呼痛い。何が、何処が痛いのかももう判らない。ただ身体が冷えた感覚と痛みが残っているのが不思議な位、消耗していた。
床に散らばったままの彼岸花。この部屋ではまるで血液のような暗赤色に見える。成る程、彼岸花の名も由来するものだとそっと指で触れる。
彼岸。そこに貴方がいるのだろうか?
嗚呼、もしそうだというのなら。
僕はこの日に死のう。
芭蕉さんがいないのだから灯など必要ない。僕の生命の灯だって必要ないではないか。
そうだ。今はもう何もない。何もいらない。いらない。部屋の灯も、僕の灯も、今日という日も。
芭蕉さん。仮令もし貴方が今すぐここにあらわれたとしても、もう遅い。
全て燃え尽くして、僕は夢うつつ貴方を思う。此岸では会えないけれど、僕の眼は貴方だけを見つめている。
芭蕉さん。
芭蕉さん。
ぼく は
あなた が たいせ つで し かたな かっ た。
***
無理矢理死ネタ!
そばってより師弟愛なのかこれ…?
これ歌詞的には死ネタじゃなくてただの失恋の方が合ってるんですが、死ネタが好きすぎてやっちゃったんだぜ☆
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